頭が痛い、後頭部が痛い~筋緊張性頭痛についてまとめ~

頭痛。
寒くなる季節に増えてくる症状でもあります。
今回は「肩が凝っている」とか、「筋肉が緊張している」と言われる筋肉の緊張による筋緊張性頭痛について解説していきます。

 

筋緊張性頭痛は、頭痛の中で最も頻度が高い疾患といわれています。
この頭痛では、頭全体か後頭部に鈍い締め付け感、圧迫感のある頭痛が出現します。

筋緊張型頭痛と並んで代表的なものとして片頭痛があります。
ズキズキと脈打つような拍を打つような頭痛が特徴的です。
それに対して筋緊張性頭痛は、脈打つ感じのない頭痛が特徴です。

 

◆筋緊張性頭痛の種類

頭痛の程度としては、重度の頭痛を訴えることはまれで(個人差は当然ありますが)、
多くの人は軽度~中等度程度のため、この頭痛が出現しても仕事や家事、勉強などは行うことができます。

頭痛が時々おこる「反復性緊張性頭痛」は、
肩こりなど肩や後頭部、頭部の筋肉の緊張が原因で起こることが多く、パソコン作業など長時間同じ姿勢で作業を続けていると頸部、肩の筋肉の緊張が高まり、頭痛が起こりやすくなると考えられています。

一方、頭痛がほぼ毎日の「慢性緊張性頭痛」では、頸部・肩の筋緊張に加え、精神的なストレスなどが関与し、脳が痛みに対して過敏になっていると考えられています。

 

一般的に病院で行われる緊張性頭痛の治療としては、
頭痛発作時に、一般的な鎮痛剤の処方が多いようです。
頭痛が頻回の場合は、頸部・肩の筋緊張緩和を目的とした筋弛緩薬や精神的なストレス軽減目的に抗うつ剤が使用されることもあるようです。あとは肩がこらないような運動療法などでしょうか。

頭痛がつらいときはつい薬に手を出す方もいらっしゃることと思います。手っ取り早くて効果的なことから、頭痛の起こるたびに利用される方も多いことかと思います。

 

 

◆頭痛の原因

緊張性の頭痛時には、当然頭や首の周囲の筋肉の緊張はあります。

もちろんストレスも関与していることでしょう。今回はストレスについては割愛し、ここでは筋緊張性頭痛の原因について解説していきます。

原因として私は2点あると考えています。

①猫背姿勢による後頭部、頚部の過緊張
②後頭部、頚部の筋や皮下組織と神経の癒着

このの2つです。それではこの2点について解説をしていきます。

 

①猫背姿勢による後頭部、頚部の過緊張について

デスクワーク時にこのように集中して画面を見入って作業を進めていることはありませんか?

私もつい集中している時にこのような姿勢になっていることに気が付くことがあります。
もしかしたら気が付かないことの方が多いかもしれませんね。

ではなぜこの姿勢がいけないのでしょうか?

猫背になると目線は自然と下向きになるものです。

その姿勢でパソコンやテレビを見ようとすると
自然に顎が上がり、後頭部の筋肉を縮めて前を見なければなりません。

すると、首の後ろにある後頭下筋群はぐっと縮まって緊張します。

また同じところを見続けるということは悪影響を及ぼします。
なぜなら後頭下筋群は目の動きとともに活動するからです。
画面を見るために頭を固定するだけでなく、パソコンの画面のあらゆるところに視線を移すことは、
後頭部の筋肉を常に緊張させているのです。

また顎を突き出していると首の前の皮膚が伸ばされ、顎を引いた時に2重顎になるとも言われています。

頸部や頭蓋骨周囲の筋肉の緊張により筋肉内の血管が縮むため、緊張型頭痛には、リラックス、入浴や運動など血管を広げることが推奨されます。

 

 

ただ頭痛は筋肉の緊張だけの問題ではないようです。

②後頭部、頚部の筋や皮下組織と神経の癒着

後頭部や首に介在する神経が筋肉の緊張により圧迫や伸長刺激を受けて、
痛みとして現れることが臨床を通じて多く感じることがあります。
なぜそう思うのかというと、介在している神経を触ると、頭痛にと同様の痛みが再現されるからです。
そしてその神経の癒着を解消すると頭痛は消えることを臨床で目の当たりにしています。

関連する神経として大後頭神経と小後頭神経、大耳介神経があげられます。
下のイラストでは大後頭神経についてですがだいたい後頭部の中心から2cm程度のところに存在します。

小後頭神経は頚椎の2番目から胸鎖乳突筋の下を通って大後頭神経より外側1㎝~1.5㎝に存在しています。
大耳介神経は耳の後ろやや下方にある突起状の骨の上を通って耳の後ろに存在します。

特徴として以下のような症状が出現します。後頭神経痛と言われています。

・片側の首から後頭部・頭頂部にかけて痛む
・耳の後ろ側が痛む
・ビリッと一瞬電気が走るような痛みを繰り返し、痛みがないときも違和感・しびれ感がある
・チクチク、キリキリ、ズキズキとした痛み

緊張しやすく歯を食いしばる癖の人は、かみしめる筋肉と連絡している三叉神経が圧迫を受け、こめかみがズキズキ痛むこともあります。

 

マニアックな話になるのですが、

大後頭神経の走行および圧迫・伸張部位について
―1例の肉眼解剖学的観察から得られた知見―
上田 泰久, 小林 邦彦

https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2013/0/2013_1613/_article/-char/ja/

こちらの文献には特に大後頭神経について詳細に説明されています。興味がある方は目を通してみてください。

 

 

◆鑑別しなければならない状態とは

怖いのは脳出血です。
その症状は出血を起こした場所や出血量によって異なり、
多くの場合、突然頭痛を感じたり、吐き気嘔吐、右半身もしくは左半身の麻痺である「片麻痺」痺れろれつが回らないなどといった言葉の障がいなどさまざまな症状が起こります。

出血量や出血部位によっては、意識障がいや昏睡状態に陥ったり、
さらには命に危険がおよぶこともあり早期判断必要となります。

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ABOUTこの記事をかいた人

かつてプロボクサーとして、6年間活躍し最高位は日本ライト級6位。 その競技生活において怪我や体の故障を経験し、 どうすれば怪我や故障をしないですむのか、 どうすれば効率的・効果的に体を動かすことができるのか、力を発揮することができるのか考える。 そんな想いから競技生活を終えた後、フィットネスインストラクターに転身後、柔道整復師となり、 接骨院勤務、整形外科勤務を経て、   2007年 『千住大誠接骨院 』 設立   2008年 『R&F Karada+ 』 (カラダプラス/コンディショニング施設)設立 「痛みへの施術」 「トレーニング指導」 「コンディショニング指導」 それぞれの特長を生かした総合的な視点から、必要最適なアプローチを行える体制を確立。 治してもらう・教えてもらうだけのではなく、 まず自分でもやってみようという 簡単で分かりやすい自分でできる”セルフコンディショニング”を一人ひとりに合わせ提案。 そのうえで、専門家としてサポートしていく姿勢をとり、 選手自身とそして選手を応援するトレーナーや家族に、 セルフメコンディショニングにおける考えを伝え、講師としてもサポートするなど幅広く活動している。