テレワーク症候群対策② ビタミンD

【テレワーク症候群対策一覧】

①首・腰に負担のかからない座り方をする

②デスクワーク環境の整備

③外に出ること

④運動をすること(活動量を増やす)
その① 
その②

⑤コミュニティに参加すること(2021年1月現在は新型コロナ感染リスクを考慮した活動)

⑥姿勢を整えること、維持できる筋力を身に着けること
その①
その②
その③
その④

 

今回は③について解説していきます。

 

 

外に出ること

 

テレワーク(在宅勤務)となることで、
外出が極端に減ります。
往復の通勤がなくなります。
またそれだけではなく会社とは違い、狭い生活空間となるためトイレに行くにも食事をするにも確実に行動範囲が狭くなります。

歩かなくなります。
歩かないだけでなく、座りっぱなしなので脚の筋肉を使わなくなります。

会社から自宅という活動範囲の縮小は、私たちが考えている以上に運動要素が減ってしまう環境なのです。運動量が減り筋肉を使わなくなる、運動不足については「④運動をすること(活動量を増やす)」で解説していきますがここでは「外に出る」=「太陽に当たること」について解説していきます。

まず始めに外に出ないことによる心身の影響について解説します。

 

自由を抑制されることによる心身の問題

拘禁反応

強制的に自由を抑制される環境に置かれ続けると、私たちは悲観的になったり、気分が落ち込んでやる気がなくなったり、すべてのことが自分に悪影響をもたらすと思い込んだりしやすくなります。またウイルスに感染するかもしれないという恐怖感や、先行きの見えない不安感などが起こりやすくなります。強制的に自由を抑圧される環境に置かれた人が示す人格の変化を指します。

また以下の症状も起こることもあります。

うつ症状
抑うつ気分、意欲・興味の減退、不眠、食欲低下などがみられる

パニック様発作
感染への恐怖・不安感を引き金に、動悸、呼吸困難、手足のしびれなどが突然起こる

強迫行為
過度な手洗いや清潔行動など、感染に対する強迫観念からの過剰反応がみられる

子供の成長障害
また子供にとっては運動不足、太陽に当たる時間がすくなくなることなどからの成長障害の危険性もあります。
家に閉じこもることによる運動不足や、日照時間の不足からくる成長障害が心配されます。特に骨の成長障害は大きな不安要素です。骨の生成を助ける働きがあるビタミンDは、日光に当たることで合成されます。そのため、外に出て日光に当たる時間が少なくなるとビタミンDが不足して骨密度が低下してしまいます。

 

 

2021年1月現在、新型コロナウイルスの影響で首都圏では緊急事態宣言がささやかれたり、自粛要請などにより、自由を半強制的に奪われる状況となってきています。自由を抑圧される環境に置かれると、様々な症状が現れます。

今回のテーマである「外に出ること」がいかに大切であるかわかりますね。そこでただ外に出るだけではなく意図を持って出ることも大切となってきます。

次のテーマは「外に出ること」 = 「太陽に当たること」です。

太陽に当たることはビタミンDの活性化につながります
なんだ、ビタミンかと思われるかもしれませんが、健やかに生きていくためには大切な要素なので、ぜひ読み進めてください。

 

 

ビタミンDについて

ビタミンDは骨を丈夫にするために必要なホルモンです。
しかし、日本人の8割でビタミンDは不足しており、4割で欠乏していると言われています。

日照に恵まれている日本では、健常人が適度な日光のもとで通常の生活をしている場合、ビタミンDが不足することは少ないと考えられます。ただし今回のテーマであるテレワーク(在宅勤務)では話は変わってくると思います。

また、高齢者では、皮膚におけるビタミンD産生能力が低下することに加え、屋外での活動量減少により日光照射を受ける機会が減少する場合もあり、通常よりも多くのビタミンDを食事から摂取する必要があることが指摘されています。

日ごろ、日光に当たる機会が少ないと感じている人は、手足に当たるだけでも効果があると言われていますので意識して日光に当たることをしてください。

また成長期にある子どもにとっては、太陽に当たることによる「ビタミンD」の合成が必要不可欠になります。

骨の健康とカルシウム・リン代謝の維持に重要な役割を演じることが知られているビタミンDは、以下の表のような効果があると言われています。

ビタミンD摂取により免疫機能強化もなされます。

テレワーク症候群 = 在宅勤務 = 新型コロナウイルス

という関連も考えられますね。事項ではインフルエンザウイルスとの関連について解説していきます。

 

ビタミンDとインフルエンザおよびウイルス

ビタミンD生合成の減少は、冬におけるインフルエンザの高い罹患率を説明できる可能性があるとされています。冬にインフルエンザが流行するのはビタミンD生合成の減少も一要因と考えられているのです。

2010年3月にアメリカ臨床栄養ジャーナルに発表された無作為抽出、二重盲検法、プラセボ(偽薬)対照試験の結果では、冬季に毎日1,200IUのビタミンD3を摂取した生徒群は、プラセボを摂取した生徒群に比較して、42%も季節性インフルエンザに罹患する率が低かったとしている。

引用:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』ビタミンD

もちろんインフルエンザの要因としてビタミンD以外にも乾燥、低温、日照殺菌低下等の要因もあります。

 

では、ビタミンDには、どれくらい太陽に当たるといいのでしょうか?

ヒトにおいては、日焼け止めクリームを使わない場合、午前10時から午後3時の太陽光を少なくとも週に2回、5分から30分の間、顔、手足、背中に浴びることで十分な量のビタミンDが体内で生合成される。

日本人に最も多い肌の色スキンタイプIIIで、顔と手のひらだけに紫外線を浴びた場合、7月の北海道札幌市、茨城県つくば市、沖縄県那覇市では、10µgのビタミンD生成に必要な日光浴時間は10~20分であり、12月では、それぞれ139分、41分、14分となり大幅に増加する。紫外線が皮膚に有害となるのは、その約2倍から3倍の時間浴びた場合である。

引用:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』ビタミンD

午前10時から午後3時の太陽光を少なくとも週に2回、5分から30分の間、顔、手足、背中に浴びることで十分な量のビタミンDが体内で生合成されるのですね。また住んでいる場所によっては、季節によって太陽光を浴びる時間が変わることも頭に入れておく必要があります。

 

ビタミンDと食事

また食事で補うということも必要です。ビタミンDは、きのこ類、魚介類、卵類、乳類に多く含まれています。

 

またサプリメントを摂るということも一つの選択肢として考えられます。ビタミンDは健康になる上での様々な検証がされています。

低ビタミンDレベルとさまざまな癌のリスク増加との関係が観察されました。これは、結腸直腸癌、肺癌、前立腺癌、乳癌、および卵巣癌に関係しています。虚血性心疾患、心臓発作、脳卒中、心不整脈、高血圧などの障害のような低血清ビタミンD濃度の患者では、より頻繁であり、死亡率が有意に高かったことが観察されました。これらの結果により、研究者たちはビタミンD欠乏症を心血管疾患の潜在的な危険因子と見なすようになりました。

ビタミンDの健康上の結果。パートII。病気の予防における役割
Julia Wranicz 、 DorotaSzostak-Węgierek

ビタミンDに多くの可能性を秘めていることに間違いありませんね。

ただ、実はこんな検証もされています。骨密度の関するものです。

長期高用量ビタミンDサプリは有害無益

【背景】
長期のビタミンDサプリ使用は骨密度(BMD)・骨強度を改善するか。カナダUniversity of CalgaryのBurtらは、これを検証するRCTを行った(3用量比較:n=309)。参加者は骨粗鬆症のない健康な55~70歳の男女、用量はVD3:400・4,000・10,000 IU/日で、 乳製品摂取量が1,200mg/日を下回る参加者にはカルシウム補助も行われた。複合一次アウトカムは、 橈骨/脛骨CT(HR-pQCT)評価によるBMDと骨強度である。
【結論】
高用量群では橈骨BMDが有意に低下し、脛骨BMDは10,000 IU/日で有意に低下した。橈骨・脛骨とも骨強度には有意な変化はなかった。
【評価】
VDサプリに関しては無効性を結論する高信頼度メタアナリシスが2018年に出ているが(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30293909)、この3年間RCTはそれをさらに確認した。Ca+VDサプリが有効な可能性があるのは介護施設入所の低ビタミンD値患者くらいであろう

カテゴリー: 理学療法
ジャーナル名: The Journal of the American Medical Association
年月: August 2019
巻: 322
開始ページ: 736

要約するとこのようになります。
「ビタミンDの摂取は骨密度を低下させる。特にたくさん摂取すると優位に骨密度が低下した。また骨強度はビタミンDを摂取しても変化がなかった。筋骨格の健康を維持または改善するためにビタミンDサプリメントを使用する理由はほとんどない。」ということです。

 

様々な論文を読んでみました。肯定も否定も多々あります。

私の見解としてですが、ビタミン D は多くの疾患を改善し、死亡率を低下させる可能性を秘めています。ただエビデンスの質としてはまだ弱い研究も多いのが現状です。ただしそのことによってビタミン D 治療の可能性が否定されるものではありません。

食品でビタミン D を多く含むのは限定的なの食品です。魚類、きのこ類、卵類、乳類などですが、食事からビタミン D を毎日摂取するためには含有量の多い魚類をとる必要があります。

そのため健康のためのビタミン D のサプリメント摂取に大きい利点があることは間違いありません。

ただしビタミンDの摂りすぎは当然体へのデメリットとなります。具体的な症状については割愛しますが、そのの原因はほぼ例外なくサプリメントの過剰摂取といわれています。それは身体は自身が生成するビタミンD量を制限することができるため、日光への過剰曝露がもとでビタミンD中毒が発生することはないからです。

 

今回のまとめ

ビタミンDは様々な効果があることが分かりました。代表的なものとしてカルシウムの関係により骨密度が維持改善できます。また新型コロナ感染症予防のために必要な免疫機能を向上させてくれる可能性を秘めていることを書かせていただきました(正確にはインフルエンザについてですが、免疫機能向上に変わりありません)。

ビタミンD摂取には、太陽の日を浴びること、食事(栄養)をとることです。

おすすめは、しっかり食べ、しっかり太陽の日を浴びながら運動をすることです。

早朝(6~9時くらい)に15~30分ほど日光浴をするなど、外に出て日光を浴びる時間を極端に減少させないことが大切です。日光浴に合わせて運動不足による身体機能の低下を予防するために定期的に運動をしていきましょう。

また朝、日光を浴びる効果は絶大です。 太陽を直接見なくても日光を浴びるだけで、松果体から分泌されるホルモンである「メラトニン」の分泌抑制機能が働きます。

メラトニンは、「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。 日光を浴びることで、睡眠ホルモンの分泌が抑制され、睡眠圧(睡眠欲求)が抑えられるのです。言い方を変えると、メラトニンは、日光を浴びてから約14-15時間後に分泌が増加すると言われています。そのため、朝、目が覚めて日光を浴びると、夜には睡眠ホルモンの分泌が増え、自然と眠くなってくることになります。

規則正しい生活は健康になるだけでなく、美容にも効果的。そんな意識がテレワーク症候群回避の秘訣ともいえます。
早起きは3文の得ですね。

 

 

おまけ

ビタミンDと肥満

肥満の人は血中のビタミン D の濃度が低下していることは多くの研究によって報告されています。ビタミン D の濃度が下がると、体内に脂肪を蓄える傾向となるようです。冬眠する動物は脂肪を蓄える冬眠中には、ビタミンD濃度は低下しています。

テレワークにより運動量が減少、間食が増えることにより、必然的に体はふくよかに、大きく、まあるくなっていくでしょう。ビタミンDは脂溶性であり、脂肪、筋肉、肝臓、血清に分布しています。肥満で体積が増加するため、ビタミンDの低下は体積希釈効果を反映している可能性が高く、ビタミンDの全身貯蔵が適切である可能性があります。

そのため体の体積が大きい人はビタミンD不足が考えられます。ビタミンD不足の症状として、以下のことなどが研究されています。

糖尿病
動脈硬化
免疫力低下
自閉症
うつ
花粉症

対策としては、お魚の摂取と太陽の日を浴びながらの運動習慣ですね。

 

参考:
Vitamin D in obesity
Jennifer S Walsh 1, Simon Bowles, Amy L Evans
公益財団法人骨粗鬆症財団 http://www.jpof.or.jp/
ビタミンDの健康効果宮川 路子
こもりっきりで疲れていませんか?外出自粛でもできる心と体の健康法 済生会HPより
厚生労働省ejimビタミンD

 

こちらも合わせてみてください。
テレワーク症候群とは?現状と症状について
テレワーク症候群の対策① 「座り方、環境の整備」

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ABOUTこの記事をかいた人

かつてプロボクサーとして、6年間活躍し最高位は日本ライト級6位。 その競技生活において怪我や体の故障を経験し、 どうすれば怪我や故障をしないですむのか、 どうすれば効率的・効果的に体を動かすことができるのか、力を発揮することができるのか考える。 そんな想いから競技生活を終えた後、フィットネスインストラクターに転身後、柔道整復師となり、 接骨院勤務、整形外科勤務を経て、   2007年 『千住大誠接骨院 』 設立   2008年 『R&F Karada+ 』 (カラダプラス/コンディショニング施設)設立 「痛みへの施術」 「トレーニング指導」 「コンディショニング指導」 それぞれの特長を生かした総合的な視点から、必要最適なアプローチを行える体制を確立。 治してもらう・教えてもらうだけのではなく、 まず自分でもやってみようという 簡単で分かりやすい自分でできる”セルフコンディショニング”を一人ひとりに合わせ提案。 そのうえで、専門家としてサポートしていく姿勢をとり、 選手自身とそして選手を応援するトレーナーや家族に、 セルフメコンディショニングにおける考えを伝え、講師としてもサポートするなど幅広く活動している。