参加者からこのようなメールをいただきました。
「馬場先生 今晩は!
参加人数が少ない、にもかかわらず、
行事企画に、対応して下さり有り難うございました。
企画提案をする為にも、この様なエクササイズ付き
である事のアピールも、続けたいと思います!
参加者からも、5000円で受けられたのは、安い
と思う。と、話題です。
メールでは、届かないかもしれませんが、大きな声で
御礼、申し上げます。」
戸隠にスキーにいらっしゃっている方に向けてワークショップを開催しました。
ワークショップ内容は「内容はお任せ」という出たとこ勝負のご依頼。
結果的にはご自身の体の課題も明確になり、体の変化を満喫していただけて楽しい時間となったのではないかと思っています(自己満足ですが参加者の笑顔が証明です!)。
今回のブログはその変化を促したエクササイズと流れについいてお伝えしていきます。
はじめに
参加者のお悩み
参加者は3名。
お悩みはこんな感じでした。
①スキーでのターン時の股関節の可動域を上げていきたい(体幹を「く」の字の形を大きくしたい)。体が硬い。腰周囲の痛みがつらい。
②右膝を昨年手術(前十字靭帯)。右脚に荷重をかけると膝が内側に入ってしまう。
③ターン時に膝が不安定。母趾球に荷重をさせて歩くと左右差を感じる。
細かなことはたくさんありましたが、共通しているところが多く、腰、股関節、膝とざっくりとこんな感じでした。
このお悩みをまとめて参加者でエクササイズをしていきました。
コンディショニングの流れ
効果的にコンディショニングをしていくには、順番が大切です。まず流れを抑えていきましょう。
①骨格を整える
②骨格を整えても残っている動きを制限している筋肉を緩める
③筋機能を高める
④ ①、②、③で整えて緩めて筋機能を高めても、残っている痛みのあるところに直接アプローチを施す
痛みは骨格のゆがみ、動きの誤動作の繰り返しにより起こります。
ですからまずはその痛みの原因となる「原因因子」となっている①、②、③へのアプローチからしていきます。
そして歪みが整っても残っている痛み(「結果因子」)は、痛いところ自体が微細に傷ついていたり、過剰に緊張しているので、そこを直接手を入れていきます。
「原因因子」 → 「結果因子」
の流れとなります。これによりどこに問題があったのか明確になるので、今後のケアも必要最低限で行っていくことができるのです。
原因因子へのアプローチ
①骨格を整える
骨盤・股関節へのアプローチ
まずは骨盤・股関節を整えるところから始めていきます。骨盤は体の土台となるところなのでまずはここからアプローチしていきました。
ストレッチポールを使った骨盤コンディショニング。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLXEolaXEIbgYb8QOP7WcMpNz-inP0b4ne
これにより骨盤の関節の位置、左右差は解消し、前かがみだったり反ったりする動きは楽にできるようになりました。また膝を胸に近づけた際の股関節の前側での詰まり感が軽減しましたが、若干の詰まり感があるとのことでした。
②筋肉を緩める
骨格を整えても左右差や制限がある場合は、骨格のゆがみが原因ではないので筋肉自体を緩めていきます。今回は股関節をぐるぐる回すエクササイズで可動域の制限のある動きを行い左右差を解消し、それから股関節の前と後ろのストレッチをおこないました。
すると詰まり感は解消。Good!です。
この動画のエクササイズはスキーのターン時の可動域の左右差の解消にもってこいのエクササイズとなりますので、ターンに左右差があるという方はまず可動域を整えるところから行っていただけるといいでしょう。
また股関節の前側は3方向から行うとより効果的です。
③筋機能を高める
膝へのアプローチ
次に膝の動き改善です。行ったのはこれ!
下腿内旋エクササイズ
膝下の骨(脛骨)が外にねじれてしまっていると、膝が内側に入って曲がってしまう「ニーイントーアウト」という使い方となってしまいます。この使い方は非常に様々な体のトラブルを引き起こしてしまいます。
膝下の骨(脛骨)が外にねじれてしまっていると、
・ももの外側の筋肉が張る。
・それによりじっとしているだけで腰が張っている、痛いといった症状も現れる。
ので解消しておく必要がありますね。
以前ブログで紹介していますのでそちらも参考にしてください。
膝のねじれを解消しながら行う【膝痛予防スクワット】
上の動画の「下腿内旋エクササイズ」を行うことにより、ももの外側の張りが軽減するのを感じていただきました。膝のねじれを解消しただけなのになぜ?とびっくり。膝下の骨の外ねじれ(捻り)は、ももの外側 = 大腿筋膜張筋(腸脛靭帯)を緊張させてしまうので、外せないエクササイズの一つです。
でも、さらにももの外側を緩めるために、以下のエクササイズを行いました。
股関節へのアプローチ
中殿筋のエクササイズ
このエクササイズは片脚立ちの時に活躍してほしいお尻の上側にある「中殿筋」のエクササイズです。
片脚立ちを安定させるには股関節を外に開く筋力が重要です。この筋肉は前出の「中殿筋」と「大腿筋膜張筋」です。
ももの外側を構成しているのが「大腿筋膜張筋」とつながっている「腸脛靭帯」です。この筋の過剰な緊張は、ランナーのひざの外側の故障である「ランナー膝(腸脛靭帯炎)」が起こりますし、じっとしていても腰が重だるいといった腰痛にも影響を及ぼします。
これを解消するには、「中殿筋」に活躍してもらうことです。
「中殿筋}も「大腿筋膜張筋」も同じ股関節を外側に開く筋肉なのですが、役割が違います。「中殿筋」は股関節を安定させる役割に対し、「大腿筋膜張筋」は安定というよりも動くことに力を発揮するのです。ただ「中殿筋」の活躍が少ないと「大腿筋膜張筋」が働かかざるを得ないのです。
ここでは使い方の問題である「膝下の外捻り」を解消するために、
内側に捻る「下腿内旋エクササイズ」をし、そして股関節を安定させてくれる「中殿筋」を活性化することにより、ももの外側の張り感の原因である「大腿筋膜張筋」を緩めました。
ももの外側の張りの解消のために、ストレッチや円柱状のポールで横向きになってコロコロ圧迫するマッサージをよく見かけます。
体の使い方に原因があることにより、ももの外側の張りが出現してしまうことが非常に多いので、
変化はその時だけで、効果の実感が薄い方にはまったくもって有効ではありません。それは結果的に硬くなったところをほぐすのではなくて、原因を解決していくことが必要だからです。原因となるこのエクササイズをお試しいただけると、今までと違った変化を味わえるでしょう。
また使い方を解消するためには、下腿内旋エクササイズと併せて「リアラインインソール」を使うと、足元から動作改善を促せるより効果的です。
ここまでくると、ももの外側の問題は大きく改善して、①のお悩みであった、「体幹を「く」の字にしたい」は本人がびっくりするくらい大きな可動域向上へとつながり、また腰も楽になりました。
下肢全体をコントロールするスクワット
②の膝が内側に入ってしまうお悩みは、ここまでのエクササイズに合わせて、関節単体のエクササイズではなく、下肢全体をコントロールして動かしていく、膝を開きながら行うスクワットとランジをお伝えしました。
「ニーイントーアウト」という使い方は、足部、足関節、膝関節、股関節が関わる脚全体の問題です。特に膝が内側に入ってしまう原因としては、足関節と股関節の硬さや動きの悪さなどにより、その両関節の間にある膝関節は膝を内側に動かすことで代償してしまうのです。
以下の2つのスクワットは「ニーイントーアウト」対策にもってこいのエクササイズです。
ニーアウトスクワット
母趾球荷重スクワット
スクワットになれたら「ランジ」を行ってください。
これにより、お悩み③「ターン時に膝が不安定。母趾球に荷重をさせて歩くと左右差を感じる」のここまでの流れにより修正に導きました。
この母趾球荷重のスクワットとランジは、行うことで意識することなく母趾球荷重ができるようになります。
私は日々の治療でランナーをよく診ますが、母趾球を意識して走ると故障の原因となるので「意識しない」よう指導しています。体の末端を意識することは円滑な運動を妨げてしまうからです。ですから、ランニングする前にこのエクササイズをして母趾球に無意識に荷重できるよう感覚を入れていくことを指導しています。
結果因子へのアプローチ
ここまで、歪みを解消し、制限している筋肉をストレッチし、うまく使えていない動き(筋機能)をエクササイズにより再構築してきました。これでも痛みが残っていたら・・・と最後に痛いところに直接アプローチをするコンプレッションストレッチを紹介しました。
今回は腰に痛みが残っている場合で紹介しました。
コンプレッションストレッチ
腰の動かして痛みを感じたら、痛いところに指先を床と平行に当て(強すぎず弱すぎず)、
その痛みのある動きをしながら2秒かけながら体を倒し、2秒かけながら反対の動きをします(動き方は前かがみか横倒しです)。それを3回繰り返します。
終わったら痛かった動きを確認してみると、その場の痛みがなくなっていることを実感できるでしょう。
もし実感できなかったら指をあてる強さの問題です。当てる強さを調整してみてください。痛みがなくなるのは指を当てているところです。同じ動きをすると少し痛みの場所が変わっていると思います。そうしたらその痛いところに指をあてこのエクササイズを繰り返します。
痛いところを追いかけていくと、徐々に痛み違和感は軽減してきます。
日々習慣とすることで、筋肉は緩んできますので、10分くらいを目安に毎日繰り返していけるといいでしょう。
まとめ
今回行った流れは以下の通りです。
①骨格を整える
②骨格を整えても残っている動きを制限している筋肉を緩める
③筋機能を高める
④ ①、②、③で整えて緩めて筋機能を高めても、残っている痛みのあるところに直接アプローチを施す
①~④と進めていくとどんどん体の変化を実感できます。自分自身で変化を引き出せるのがセルフコンディショニングの面白さです。これを実感できると自らコントロールできるようになり、よりやりたいことができる体を取り入れることができることでしょう。
このような体の変化を味わえるッスンをご希望の方はお声がけください^^
togakushi.karadaplus@gmail.com
馬場までお願いします。
最後までありがとうございました!
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